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体内の微生物は胎児の段階から存在する



バクテリアや細菌などの体内微生物は、大部分が生まれて以降に侵入し、母親の子宮の中では無菌状態だと考えられてきたが、最近の研究の結果、そうではなく、すでに胎児の状態で母親から受け取るのだということがわかってきた。その最近の研究状況を、医療ジャーナリストとして知られるカール・ジマーがNYTのコラムの中で紹介している。Human Microbiome May Be Seeded Before Birth By CARL ZIMMER New York Times

フランスの小児科医アンリ・ティシェが、母親の子宮内部は無菌状態で、胎児には一切の体内細菌がないと宣言したのは1990年、それ以来人間の胎児は無菌だというドグマが医療界を支配してきたが、2000年以降になって、このドグマを打ち破る発見が積み重ねられた。その結果今日では、人間の胎児は母親から様々な体内微生物を受け取るのだということがわかってきた。また、受け取った微生物の種類によっては、早産を引き起こす原因になったり、アレルギー体質につながったりするらしいことも突き止められるようになってきたという。

こんなことから、胎児の段階で微生物がコントロールできれば、早産の防止や病気の治療に役立てることができるということだ。(写真はナショナル・ジオグラフィックから)






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