人 間 の 科 学
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ここまで来た再生医療:人体のパーツを作る


再生医療の最先端をNHKが報道していた。それを見て、ついにここまで来たかと驚かされた。(NHKスペシャル「人体"製造"~再生医療の衝撃~」)

再生医療の可能性については、幹細胞をめぐる科学技術の発展に伴って現実化しつつあることは認識していたが、すでに実際に人体の一部を作り出すまでに来ているというのだ。

たとえば肝臓である。人間の幹細胞を豚の胎児に注入する。その上で一定の時期に胎児自身の肝臓を取り除くと、そのあとに人間の肝臓が生成される。生まれた後の豚が成長するに従い、人間の肝臓も豚の体内で成長する。一定の大きさになれば、それを取り出して人間に移植できる。つまり肝臓という人体の一部(パーツ)を、豚を利用して作り出すわけだ。

幹細胞は皮膚の再生にも威力を発揮している。老化して皺だらけになった皮膚に幹細胞を注入する。すると皮膚細胞が再生され、老人の肌は若者の肌のようなみずみずしさを取り戻す。実際テレビに映し出された被験者は、老女の顔から若い女性の顔へとドラスティックな変身を遂げていた。

また幹細胞は筋肉の再生にも高い効果を発揮する。指を切断しても、この方法をもちいれば元通りになるのだ。

今後再生医療の技術が発展すれば、人体のあらゆる部分に応用できるようになると考えられている。人は自分の幹細胞をもとにして、どんな臓器でも作り出すことが出来る。人体も機械と同様に、傷んだパーツを交換しながら、個体としての寿命を飛躍的に延ばせるようになるに違いない、そう期待されている。

幹細胞は若いときほど活発な動きをする。だから年をとる前に自分の幹細胞を冷凍保存しておき、いざ必要なときにそれを解凍して再生医療に用いるようにすると効果が高まる、番組はそのようにいっていた。






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