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鉄器時代の少女 モーラ



鉄器時代の少女の顔(上の写真:ナショナル・ジオグラフィック)が、最新のデジタル技術を用いて再現された。少女の名前はモーラ、紀元前650年頃に、ドイツ北部のニーダーザクセン州あたりで暮らしていた。

モーラの遺骨が発見されたのは2000年、泥炭湿地からだった。発見当初は、1969年に失踪した当時16歳の少女の骨ではないかと疑われたが、その後の調査の結果、母親のDNAと一致せず、別人のものだとわかった。

古代人の骨だと判定されたのは2005年のことだ。第一発見者のウフター・モーア(Uchter Moor)さんの名前をとって、モーラと名づけられた。

モーラの頭蓋骨は、泥炭の採掘機によってバラバラにされていたが、それを再現して5種類の顔の模型が作られた。一つ一つは異なった表情をしているが、顔の輪郭などの基本的な特徴は共通しているという。

なおモーラの頭蓋骨には生前にできたとおもわれる傷があり、栄養失調の痕跡が認められるほか、背骨が曲がっているなど、過酷な生涯だったことをうかがわせる。

彼女が生きていた時代には、死者は仮装されるのが普通で、土葬は珍しいという。宝飾品など葬儀の際の副葬品も見つかっていないことから、彼女は正式に葬られることがなかった可能性もある。

いずれにせよ、あまり幸福な生涯だったとはいえないようだ。






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