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人類最古の壁画? スペインの洞窟で発見



人類最古の壁画である可能性が高いものが、スペイン北部ビスケー湾にある洞窟の中で発見された。これまでは、1994年にフランスで発見されたショーヴェ壁画が人類最古とされてきたが、ショーヴェ壁画が3万2000年前のものだとされているのに対して、今回発見された壁画は4万800年以上前のものである可能性が高いといる。もしそうだとしたら、この壁画は、ネアンデルタール人が作成した可能性もある。

問題となっているのは、スペイン北部ビスケー湾沿いにある11か所の洞窟壁画のうち、エル・カスティーヨ洞窟にある、シンプルな赤い丸模様。その顔料に含まれる物質の構成要素ウランの崩壊速度をベースにして、その作成時期を算出したという。

4万800年前と言えば、現生人類の祖先がヨーロッパ大陸に進出した上限と推定されているので、この壁画がショーヴェ壁画よりさらに古い人類最古の壁画とする見方も成り立つが、それと同時に、ネアンデルタール人の創作であるとする推論も、あながち荒唐無稽ともいえない、と専門家はいっているそうだ。

この壁画がもしネアンデルタール人の創作であるとしたら、ネアンデルタール人に関する我々のイメージは、更に大きな修正を迫られるようになるかもしれない。(写真はカスティーヨ壁画:ナショナル・ジオグラフィックから)






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