チョコレートに心臓病を予防する効果があることを、イタリアの研究グループが突き止めた。モリ・サニというプロジェクトがそれで、毎日少量のブラックチョコレートを食べ続けることが、血管の炎症を防ぎ、ひいては心臓血管障害や脳卒中の予防につながるというのだ。ただし食べ過ぎると効果がなくなり、またミルクチョコレートではだめだということだ。
血管の慢性的な炎症は心臓血管障害を引き起こす重要なファクターだが、研究グループはそのマーカーとして、血液中に含まれるC-リアクティヴ蛋白に注目した。ブラックチョコレートを毎日適度に食べている人は、この蛋白が非常に少ないのである。これは、カカオの種に含まれている抗酸化物質(特殊なフラヴォノイドやその他のポリフェノール)の作用によるものだと推測される。
またチョコレート愛好家の血小板は凝固しにくく、したがって血管が詰まる確立が少ないことも確かめられた。
ブラックチョコレートの摂取限度は、一日平均6.7グラムだということだ。それ以上だと効果は消滅する。そのメカニズムはまだ詳しくわかっていないらしい。
6.7グラムといえば、非常に小さな量だ。市販のチョコレートの中に、板チョコを角型に小さく切り分けたものがあるが、その一個分かせいぜい一個半分に過ぎない。チョコレートが好きな人は、一時に一個や一個半では満足しないだろうが、それではチョコレートの恩恵を受けることができない。節度をもって食べることが必要だ。
ミルク入りのチョコレートがだめな理由は、ミルクがポリフェノールに作用して、その効果を阻害するからだという。
ちなみにポリフェノールを含む食品としては、ほかにワインがあげられる。ワインにも血液を浄化させる効用があるようだが、その詳細なメカニズムについては、今後の解明を期待したい。
|