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政治意識は脳の構造に左右される


リベラルと保守主義とは互いに相容れないほど対立するケースが多いが、それは世界観の違いから生まれるものであり、更に遡れば人間の脳の構造に由来するとする仮説が、イギリスの神経科学研究グループから発表された。Political Orientations Are Correlated with Brain Structure in Young Adults By University College London Institute of Cognitive Neuroscience

研究グループは、90人の若者を対象に、彼らの政治意識と脳の構造との関連を調査した。その結果両者の間には有意的な関連が認められることがわかったという。

それによれば、リベラル派であるほど前帯状皮質(anterior cingulate cortex)の灰白質(gray matter)の容積が大きく、保守派であるほど右へんとう体(right amygdala)の容積が大きい傾向がある。

「前帯状皮質は複雑性の理解に関連しており、不確実性や対立をチェックする機能を持つ。そのため、前帯状皮質が大きい人ほど不確実性や対立への認容性が高く、リベラルな物の見方を許容しやすくなると考えられるという。

「一方、へんとう体は恐怖心の処理に関連しており、これが大きい人ほど、反感や脅すような表情に敏感で、危機的状況に際してはリベラル派以上に攻撃的に反応する傾向があるという。」(以上AFP記事から引用)

つまり、リベラル派は理性的な抑性心に富み、保守派は情動的に反応する傾向が強いと言いたいようだ。

現代のアメリカ政治でリベラル派の代表と目されるのは、男性ではバラク・オバマ、女性ではヒラリー・クリントン、一方保守派の代表と目されるのは、男性ではジョージ・ブッシュ、女性ではサラ・ペイリンだろう。

彼らあるいは彼女らの日常の政治活動からもたらされる印象が、上記の説と符合するかどうかについては、読者ひとりひとりの判断にゆだねられよう。






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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2013
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